ストレス症状 〜 精神症状・行動症状・身体症状 〜


ここでは、精神的なストレスを受けて現れる症状について、
お伝えしています。

わたしたちの心や精神にストレスをもたらすものには、
様々なものがあるように、
それによって心身に現れ出る症状にも、
様々なもの、様々な形があります。

初期から現われるストレス症状

目が疲れやすい。 肩がこりやすい。
背中や腰が痛くなる。
朝気持ち良く起きられないことがある。
頭がスッキリしない、頭が重い。
立ちくらみをしそうになる。 夢をよく見るようになる。
手や足が冷たくなることがある。
食後に胃がもたれることが多い。

慢性時に現われやすいストレス症状

なかなか疲れがとれない。 何かするとすぐに疲れる。
お腹が張ったり下痢や便秘がよくある。
少しのことでイライラしたり腹が立ったりする。
人と会うのが億劫になる。 仕事をする気が起きない。
歯茎が腫れる。 口の中が荒れる。  
最近体重が減った。 深夜によく目が覚めたりする。
好きな物でも余り食べる気がしない。
 

「 初期から現れるストレス症状 」の多くは、
心身の負担( ストレスやフラストレーション )疲れを、解消し
きれなくなっている徴候です。信号であれば、緑から黄色になり
かけている時です。

一方の「 慢性時に現れやすい症状 」とは、
心と身体にひどく重圧を受け、心身の疲労が深く、精神的にも
余裕がなくなっていることを示しています。オイルの残量は、
要補給ラインを既に過ぎています。

それはあたかも、
救急車や消防車が、すべて出払っているような状態です。
これ以上どこかで事故や火災が起きたら、もう対応できそうに
ありません。


ひとりで背負って頑張っている

誤解されているかも知れませんが、
つらいストレス症状は、心が弱いからなるのではありません。

むしろ、ひとりで色々なものを背負って頑張っている人。
あるいは、ひとりで頑張らざるをえなような心境・状況になっ
ている人に、起こることが多いかも知れません。

【 あせり症候群とは 】

ストレスの心理的・精神的なあらわれ方は様々ですが、
そうした現れのひとつに、
「 あせり症候群 」があります。

あせり症候群とは、次のようなものを云います。

 小さな問題や出来事を、大問題のように思い悩んで、精神
 的に追いつめられていく(自分を精神的に追いつめていく)

 抱えている問題や悩み事を、一気に解決しようとして、
 ひどく突発的な行動・飛躍した行動に走る

あせり症候群は、日常の中でもよく見られるものです。
しかし自分自身では、そうした精神状態になっていることを自
覚できません。わたしたちは、ひどく追い詰められると、目の
前の一点しか見えなくなるからです。

たとえば、ご家族の問題を一人で悩み抱えた末に、
一家心中で解決を図ろうとする父親の事件などに、
あせり症候群の悲劇的な現れを、見ることになります。


【 三つのストレス症状 】

わたしたちは、ストレスやフラストレーションが強くなって、
そのままでは解消・消化できなくなると、
それを何らかの形で、外に現す必要に迫られます。

ひとつは、
心理的・精神的な形で表出される場合があります。
これを「
心理・精神症状 」と呼びます。

そして、身体の症状や身体の病気として現れ出てくるもの。
これを「
身体症状、あるいは心身症 」と呼んでいます。

もうひとつは、行動として現すもの。
これを「
行動症状あるいはストレス行動 」と呼びます。

これら三つの形で、表出することになります。

関連ページ 心身症とは
 

心理・精神症状

気力がわかない  イライラしやすい  焦りに襲われる
じっとしていられない  落ち着かない気分になる  
頭が真っ白になる  怒りっぽくなる  
頭の中で堂々めぐりを繰り返す  考えがまとまらない
朝起きるのがつらい  叫び出したくなる
音にひどく敏感になる

気分が滅入る  いろいろなことが重荷になる  
人に会うのが億劫  外出するとき気が重い  
わけもなく涙が出てくる  物忘れをしやすくなる  
記憶力が減退したような感じになる  
問題や重荷が次々と襲ってくるような気分になる  
どこか遠い所へ行ってしまいたい  
霊などの不可解な幻覚をみる  その他


行動症状(ストレス行動)

ギャンブルにのめり込む  過度な飲酒行動
怒鳴り散らす  八つ当たりする 叫び出したくなる
遁走(行方知れずになる)  過食・嘔吐を繰り返す
ミス・ケアレスミスが多くなる 過剰な間食  衝動的な過食
無理なダイエットを繰り返す 独り言を繰り返す  
嗜好品の増加(コーヒーや炭酸飲料など)  
衝動買いを繰り返す リストカット  自傷行為
衝動的な暴力行為  危険な行為を繰り返す
電話をかけまくる    その他


身体症状・心身症

「 身体症状 」とは、病気とまではいかないような、
身体の不調感や症状を指します。
一方の「 心身症 」とは、ストレスや心労など心理的・精神的な
ものが、大きな要因となっている身体の病気を云います。

血行不良による諸症状( 冷え症・傷の治りが遅い 等 )
*傷を修復する時には酸素と、さまざまな修復物質が必要です。
 それらはすべて血液によって供給されます。
倦怠感 動悸 便秘・下痢 吐気と嘔吐 腰痛 
片頭痛・緊張性頭痛  頻尿意
皮膚のかゆみ 肩こり めまい 耳鳴り  
緊張性の発汗 飛蚊症 蕁麻疹(じんましん) 湿疹
円形脱毛症  メニエール症候群  過喚起症候群 
慢性疲労症候群 顎関節症  過敏性腸症候群 微熱 
突発性難聴 一部の不整脈 逆流性食道炎  

肌荒れ イボ 魚の目 ガングリオン 痔 歯茎の腫れ 
歯槽膿漏  口内炎 ヘルペス 帯状疱疹 
脂肪肝 高血糖症 糖尿病 (本態性)高血圧症 
甲状腺の異常  

リューマチ 若年性心筋梗塞 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 
潰瘍性大腸炎  レイノー病 悪性腫瘍  

生理不順 月経前症候群 月経困難症 子宮筋腫
 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ストレスと免疫系
〜 ヘルペス 帯状疱疹 顔面マヒ 突発性難聴 〜

強いストレス状態を感じ続けていると、
免疫系にも影響を与えることがあります。

口唇ヘルペスや帯状疱疹(たいじょうほうしん)などは、
ヘルペスウィルスによる感染症です。
でも、それらのウィルスは珍しいものではありません。
普段から私たちの身体に住んでいるものが、
活性化して発症するものです。

帯状疱疹は、幼少時に水痘にかかった人が、成人になって
 以降、ストレスの高い時期に起こす皮膚疾患である。
 水痘は俗にミズボウソウという疾患であって、かつてはほと
 んど全員が、小児期に感染していた
中井久夫

これらのウィルスは、わたしたちの免疫系が普通の状態であれ
ば、免疫系に抑えられています。しかし、心身の疲労だとか精
神的なストレスなどの蓄積が、免疫系の低下を招くと、ウィル
スが活発化して感染症を引き起す場合があります。
こうした感染症を、日和見(ひよりみ)感染症と呼びます。

たとえば、HIVの患者さんが、エイズを発症し免疫系のバラ
ンスが崩れてくる過程で、まず最初にあらわれる感染症のひと
つが、帯状疱疹でもあります。

あるいは、なにかの病気や疾患、または病気の治療(薬)が、
免疫系に影響を与え、帯状疱疹を併発する場合もあります。
いずれにしても、免疫系のバランスが崩れてくる初期のあら
われです。

普通であれば自然治癒しますが、
心身のストレスが重いときには、
ことに帯状疱疹は重症化していきます。

いずれにしても、帯状疱疹の治療の眼目は、後遺症防止に
 ある。ときに、強烈な神経痛を残すからである。これは鎮痛
 剤が効かない。苦しむ人が精神科に紹介されてくるが、困り
 果てることが多い。

(神経痛という後遺症ばかりでなく)決断しにくいとか、新し
 い事態に対応しにくいなど、目立たない後遺症も起こりうる。
 その予防が必要だと思う
」 中井久夫

NHKにチャンネルを合わせた時に、歌手の矢沢永吉が出ていて、
帯状疱疹を2度やって、神経痛の後遺症が時々出る、という話
をしている場面が映っていました。

また同じく最近( 2012年 )では、プロ野球の中日の監督だっ
た落合氏が、顔面マヒになったことが写真週刊誌などで、報道
されていました。
落合氏の症状も帯状疱疹と同じで、ヘルペスウィルスが活性化
して発症するものです。

顔面マヒのほかにも、突発性難聴もヘルペスウィルスの活性化
によって引き起されることがあります。突発性難聴の三割は、
こうしたものだと云われています。

どこにいるウィルスが活性化するかによって、症状のあらわれ
る部分が違ってきます。
こうした顔面マヒや難聴は、ラムゼイ・ハント症候群と呼ばれ
ています。

これらはいずれにしても、心身の疲労やストレスなどで、免疫
系のバランスが崩れてウイルスが活性化し、発症するものです。
帯状疱疹、顔面マヒ、難聴とも、重症化してしまうと後遺症に
苦しむことになるからです。

イボ」などを作るウィルスの仲間も、
普段からわたしたちの身体に潜んでいて、日和見感染を起こす
ものです。
ヘルペスや帯状疱疹と同じように、ストレスや心身の疲労によ
って免疫系のバランスが崩れてくると、ウィルスが活発に活動
し、イボやガングリオンなどが発生します。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ストレス性の頭痛 〜 片頭痛・緊張性頭痛 〜

ストレス性の頭痛には、
主として「 片頭痛 」と「 筋緊張性頭痛 」とがあります。

こうしたストレス性の頭痛をお持ちの方、ストレス性の頭痛で
悩んでいる人たちは、年齢に関係なく多いものです。

小学生でも片頭痛に悩まされる子がいます。
放課後になったり、家に帰ると頭痛に悩まされます。
緊張や不安が、そのとき解除されるからです。

片頭痛はズキズキ、ドクドクとした拍動性の痛みに特徴があり
ます。片頭痛といっても、頭の片側だけでなく、頭全体が痛む
ように感じるケースもたくさんあります。

片頭痛の強い人の中には、頭痛が起きる前兆として
チカチカ光が見えることがあります。
「 閃輝暗点(せんきあんてん)」といいます。

実は片頭痛は、副交感神経が働いて、身体がリラックス信号を
出し、血流が回復してくる過程で生じてくるものです。
( 自律神経というものがあって、交感神経と副交感神経とで
 成り立っています )

片頭痛の場合には、
交感神経の過度な興奮・緊張のために、頭部の血管が収縮して、
血流が悪くなっているところに、仕事が一段落したり、授業が
終わって放課後になったり、帰宅するなどして、神経の緊張状
態から解放されると、こんどは副交感神経が働いてリラックス
信号を出し、血流が回復してくる過程で、生じてくるものです。

ですから、血流の回復という、
大切なことが行なわれています。

しかし、それまで長時間血流が悪くなっていたところへ、急に
血液が流れるために、かえって血管や周囲の神経を刺戟して、
痛みを生み出すことになる、と考えられています。

筆者なども、自宅に帰って玄関に入ったとたんに、頭痛が始ま
るという経験を、何度かしています。
自分では意識していないけれど、玄関を入って、ホッとして、
硬く張っていた交感神経の興奮や緊張が緩むのでしょう。
その瞬間に、頭痛がはじまる時があります。
夜、布団に入る前くらいから、痛みが始まるようなこともあり
ます。

たとえば
土・日の休みになると頭痛が起きるので、家にい
るのがイヤなんじゃないかと云われてしまう

という人が時々いらっしゃいます。

あるいは週末になるとよく頭痛がする、という人もいます。
「 休みたくないんじゃないか 」 などと冗談を云われてしま
いますが、その反対です。
平日は交感神経の緊張や興奮がとけず、週末や休みの日に、
ようやく神経の緊張がとける、ということを意味しています。
本人は意識できませんが、身体が正直に反応しているのです。

そのため、頭痛がするたびに痛み止めを飲むようになることは、
慢性頭痛持ちを作る、最もよい方法です。

痛み止めは、副交感神経の働きを止めることで、痛みを抑制し
ます。
そのため、せっかく血流を回復させようとしている身体の働き
が、妨げられることになります。それを繰り返していると、神
経はより敏感になっていき、なにかのきっかけがあるたびに、
痛みを発生させるようになります。

こうした頭痛は「 薬剤性の頭痛 」と呼ばれています。

もちろん、あまりひどい痛みは、眠れなくさせたり、仕事や日
常生活に苦痛をもたらします。ですから、痛み止めを服用する
ことも必要です。
ただし、頓服( とんぷく・常用するのではなく、状態のひどい
時に一時的に服用すること )としての使い方が大切です。

そして薬ばかりでなく、カウンセリングで自分の気持ちや心を
振り返ったり、生活習慣を工夫するなどのことが、とても大切
になります。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
ストレスと糖尿病

糖尿病の発症と増悪にも、ストレスが深く関わっていることは、
何故かあまり語られていません。
糖尿病も、心身症としてあらわれる場合があります。

遺伝子が関与していても、心身症でありうる。
たとえば甲状腺機能亢進症である。これは甲状腺がストレスに関
与した内分泌器官であるから当然であるが、糖尿病も、心身症と
して突然始まることもある。
(中井久夫 精神科医)

免疫学者の安保徹氏は、このように指摘しています。

食事に気をつけ、体を動かし、薬を服用する。一見理にかなっ
た治療に見えますが、現実には、血糖値が下がらない、コント
ロールできない、薬をやめると血糖値が上がってしまう、と嘆
く患者さんが少なくありません。
なぜでしょう。その理由は、ストレスによる自律神経の乱れが
糖尿病を引き起しているという重要な視点が、治療に組み込ま
れていないからです。

日本人の多くは二型糖尿病に当てはまります。
糖尿病には、生まれつきインスリンを産生できない1型糖尿病
と、インスリンは分泌されていても、量が少なかったり働きが
悪かったりするために、血糖値が高くなる二型糖尿病とがあり、
二型糖尿病が日本人の糖尿病の9割を占めています。

( 安保 徹 )

糖尿病の基本障害はインスリン分泌障害、
つまりインスリンを分泌する膵臓の細胞が障害されること、
とされています。
近年、膵β細胞(膵臓内にあるインスリンを分泌する細胞)
 の障害が、糖尿病進展への不可欠な要素となることが、広く
 受け入れられてきている。
 糖尿病患者では、糖尿病が発症される前に、すでに膵β細胞
 の機能不全が生じており、このことは、インスリン分泌不全
 が、障害の進展の根幹となっていることを支持している。
 1型糖尿病のみならず、2型糖尿病においても、インスリン
 分泌細胞の減少が示唆されている。さらにこれらは、前糖尿
 病段階からすでに生じている
」( 石田 均 2011年 )

慢性的なストレスそのものが、
自律神経やホルモンを通して、高血糖状態を作ることになり、
それが長く続くと、
膵臓の細胞を傷めることにもつながります。

ストレスは交感神経を刺戟してカテコールアミン群、つまり
 ノルアドレナリン、アドレナリンなどの分泌を促します。
 ゆえにストレス状態が長期に及ぶと、血糖が上昇します。
 そのうえ、交感神経が緊張すると副交感神経の働きが抑えら
 れ、身体の分泌機能が低下してインスリンの分泌が抑制され
 ます。
 また交感神経の緊張は顆粒球(白血球の一種)の増加を招き、
 活性酸素の産生量を増大させます
」( 安保 徹 )

ただし、わたしたちの身体には、活性酸素( 酸化ストレス )
を除去する仕組みがきちんと備わっています。
しかし膵臓では、他の臓器や組織に比べて、活性酸素を除去す
る仕組みが弱いことが指摘されています。

膵島(膵臓の分泌細胞が集まっているところ)では、ほか
 の組織に比べて抗酸化酵素の発現が相対的に少ないため、
 酸化ストレス
( 活性酸素の影響 )を受けやすい
( 石田 均 2011年 )

ストレスが血糖値を上昇させることは医学の常識ですが、
 ストレスがここまで深刻な健康被害を与えていることは、
 認識させていません
」( 安保 徹 )



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