心身症 カウンセリング 〜 心の問題と身体の病気 〜

心身症とは

心身症とは、心理的・精神的な原因(ストレスなど)によって
身体の病気が引き起されるもの、と理解されています。

心身症とは、狭い意味で「 こころ 」の問題が「 からだ 」の症状としてあらわれたものといわれる。つまり精神的 ・ 心理的問題をまったくほんものの身体病としてあらわすということであるから、まず身体医の診察を受けることになる。
( 中井久夫 精神科医 )

たとえば、ミステリー作家として活躍されていた夏樹静子さんが、
心身症としての腰痛に苦しめられたことは、
ご自身が公表されたこともあって、よく知られています。

身体病に心身症が多いことは、古くから認識されていた
と云われています。

心身症は、このような成り立ちをしているために、
薬による治療だけでは、当然よくなりにくいため、
無理やり薬で症状を抑えるようになるか、良くなったり悪くなったリを漫然と繰り返して、しだいに慢性化してゆくケースも多くなります。

対話によって少しずつ問題を整理してゆく必要

臨床経験があれば容易に理解できることですが、マニュアル的な治療では、心身症の治療はほとんどうまくいきません。
( 河野友信 )

つまり身体的な病気として治療されているけれども、発病や経過に心理的な要因が強く関与していて、たんなる薬物療法だけでは治療効果が思ったようには上がらない。
したがってそのような患者の中には、「もう治らない」と諦めている人が多いものです。

( 吾郷晋浩 )

中医学( 中国医学 )には
「 壊病(えびょう)」という言葉があります。
間違った治療や対応を繰り返すことで、
なにがなんだか分からなくなってしまった症例を云います。
 

心身症としては、風邪様症候群や肩こりのような軽いものから、高血圧、命を落としかねないクモ膜下出血から心筋梗塞まである。
神戸の地震では、クモ膜下出血、多発性胃潰瘍、心筋梗塞がみられた。心筋梗塞は直後だけでなく、40〜50日目、3ヶ月目、半年目にも増えた。したがって、負荷がなくなっても数ヶ月後まで油断できない。
たとえば激務のあと休暇をとって旅行に出る場合にも、心筋梗塞が起こる場合がある。
( 中井久夫 )

たとえば、ひどく忙しかった仕事の時期が一段落したあとに、
「 風邪 」をひいて熱を出して寝込むようなことは、
よく見聞きするものです。

ご自分でも経験のある方が、いらっしゃることでしょう。
これも心身症としての風邪の場合が、多いかも知れません。

仕事でひどく忙しかった時期が一段落し、休日に自宅の居間で休んでいた時にパニック発作に襲われた、という方がいらっしゃいました。
どのような身体症状・身体病も、心身症として現れうるものです。

中心性網膜症は急性ストレス関連の眼科疾患である。第二次世界大戦の米兵に多数発症した。緑内障もストレス関連で発症することがあり、サラリーマンでは決算期などに悪化する。
遺伝子が関与していても、心身症でありうる。
たとえば甲状腺機能亢進症である。これは甲状腺がストレスに関与した内分泌器官であるから当然であるが、糖尿病も、心身症として突然始まることもある。
すべて身体で表現するので、当人は、精神的 ・ 心理的問題であることを納得しないことがある。患者をとり巻く状況と身体症状との連動性から心身症であることを察し、丁寧な面接・面談で少しずつ問題を理解してゆくことがよい。

( 中井久夫 )
 

心理的・精神的な要因というと、心が弱い人がなるもの、という
誤ったイメージを持つかも知れません。

しかし、それは大変間違った先入観です。

心身症は一般に、性格的に弱かったり社会的に困難な事態におかれている人がなると誤解されていますが、むしろ一人でいろんな問題を背負って頑張っているような人に心身症は多いのです。
( 吾郷晋浩 )
 

代表的な心身症として挙げられているものとして、

高血圧  一部の不整脈  心臓神経症  気管支喘息  消化性潰瘍  潰瘍性大腸炎  甲状腺機能亢進症  糖尿病  慢性関節リウマチ  慢性蕁麻疹  湿疹  メニエール症候群  

などがありますが、上にも記しているように、
どのような身体病も、心身症としてあらわれ得るものです。

溶接工として働いていたが、最近過労気味であった。
その頃から腹部膨満感があったが、吐気と腹痛が加わって、内科を受診。胃カメラの検査で胃潰瘍と診断され、投薬を受けた。しかしその後も症状は一進一退。
しだいに冷や汗が出たりイライラするようになり、仕事への意欲も低下した。病院で抑うつ状態と診断され、休養を指示される。
患者は、はじめは感情的・心理的な問題と症状との関連を否定していたが、しだいに就労条件への不満や上司との緊張した関係について語りはじめた。
そして、症状の増悪と職場のストレス状況との関連にも気づいていき、「 いままで漠然と不満に思っていたことが聞いてもらえて、楽になった 」と語り、症状がしだいに改善し復職していった。

( 成田善弘 心身症 / 講談社現代新書 )

これまで記してきたように、
心身症からの回復には、落ち着いた場で少しずつお話しをされながら、ご一緒に気持ちや問題を整理し消化してゆくことが、とても大切になります。

本来のカウンセリングとしてのアプローチが、
とても必要とされるものです。

 

1997年の「 現代のエスプリ 」という雑誌では、
その前年に、心療内科という科目が、厚生省(当時)に正式に認められたこともあって、心身症の特集をおこなっています。

ちなみに心療内科とは、心身症の治療を専門とする科ですので、
本来は、精神科とは根本的に異なります。

河野友信
昨年(1996年)ようやく、心療内科が標榜科名として正式に厚生省から認定されました。
時代状況を反映して心身症やストレス関連の病態が激増していますが、心身症の治療は必ずしもうまくいっているとは言えません。むしろ、いささかマンネリ化し閉塞状況にあるのを感じます。
臨床経験があれば容易に理解できることですが、マニュアル的な治療では、心身症の治療はほとんどうまくいきません。個別的で複雑系である人間の現象は確実には捉えられない。自然科学の手法は本来臨床にはなじまないのです。

末松弘行
1970年、かれこれ27年前ぐらいに、日本心身医学会はづきのような見方を示しています。「 心身症というのは、体にあらわれる病気で、心理的な問題が原因になっており、そのことに配慮しなければ、病態もわからないし、治療もうまくいかない。」これはすごくわかりやすい概念です。
昨年来、厚生省は成人病を生活習慣病と呼称するようにしましたが、生活習慣病もまごうことなき心身症ということです。

河野友信
大学病院のプライマリ・ケア外来( 総合心療科 )を受診する患者の六割から七割は、心身症としての病態をもつと言われていますね。
ハーバード大学でも川崎医大でもそのような報告をしていますね。
( 座談会 心身症とその治療  現代のエスプリ )



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