不安発作とパニック症状


ご本人からすると、特になんの思い当たる理由もなく、
急に動悸がしてきたり、胸が重苦しくなったり、
息をするのも苦しい感じになっていったり ・ ・ ・ ・。

同時に、手が痺れたような感覚になったり、震えてきたり。

こうした身体の症状が、ご本人からすると、
突然、なんの理由もなく起きてくることがあります。

「どうしたんだろう」と、とても不安になります。

こうした症状を経験される方は、
程度の違いはあるにしても、意外に多いかも知れません。

検査をしても特に異常は見あたらない

こうした状態に襲われると、
なにかの病気の前触れではないかと不安になって、
病院やクリニックを受診して検査をしてもらったりしますが、
「 特に重大な異常は見られない 」と告げられたりします。

このようなケースの中には、
「 不安発作 」の場合があるかも知れません。

不安発作のことを、パニック症状と云うこともありますが、
むかしから不安発作と云われてきました。


不安発作とは

それは急性の不安状態である。
最初にごく短い前兆期を自覚する場合もある。
たとえば、頭が急に軽くなる感じ、頭がクラクラする感覚、
動揺感、頭が熱くなってくる、などと表現されることがある。
それに続いて、自律神経症状を主とした身体症状が現れてくる。
動悸、手足のしびれ感、息苦しさ、胸の圧迫感、頭や身体の震え、
血が引いてゆく感じ、めまい、発汗、悪寒、などが
自覚症状として起きてくる。
( 高橋 徹 精神科医 )

不安発作が、過呼吸の形をとることもあります。

心が元になって(ストレスや悩み、不安や心労など)、
身体の症状が起きてくること自体は、
けっして珍しいことではありません。

「 心身相関 」という言葉があるくらいです。

たとえばひどく焦ったり、興奮したり、頭にきたときなど、
心臓が激しく動悸して、身体が震えてきたり、
手が震えたり、手のひらに汗をかいたり、
顔が熱くなったり、などの身体反応がよく見られます。

身体は、感情や情動につよく反応するからです。
情動とは、感情のより強いものをいいます。

ですので、強い不安発作の場合には、
「 このまま死んでしまうのではないか 」
「 気を失って倒れてしまうんじゃないか 」と怖くなり、
さらに不安が押し寄せてくることになります。

こうした不安発作の多くは、
軽いものは十分程度、長くても三十分くらい安静にしていると、
自然におさまっていきます。


具体的な症例

以下は、ある報告から抜粋したものです。

仕事で車を運転中に突然、動悸、発汗、呼吸困難、からだの震え
が生じて、死の恐怖に襲われた。
車を止めて休んでいると症状は消失したが、頭の重さや倦怠感が
ほぼ毎日続いた。


デパートへひとりで買い物に行き、店内を歩いていると、急に
脳貧血を起こしたようになり、頭がクラクラしてきて、不安を覚
えた。胸が苦しくなって、寒気のような、血が頭から引いていく
ような感覚が何度もして、激しい不安におそわれた。息が苦しく
なり、動悸がして、じっとしていられない気分だったが、身体が
ヘナヘナして動けなかった。いまにも死ぬのではないかと恐ろし
かった。


数年前に不安発作を起こして、それ以後、仕事中にめまいがして
フラッとして倒れそうになったり、一瞬動悸がすることがある。
近くのクリニックで安定剤などをもらって服用している。


職場で急に息苦しくなり、動悸がしてきて、今にも死ぬのではな
いかという恐怖におそわれ落ち着かなくなり、上司に申し出て近
くの内科を受診した。
検査の結果、重大な病気の前兆ではないと云われ安心する。
しかし、数日後に出勤途上で再び発作を起こし、それ以来、なん
となく落ち着かない気分が続き、頭がフラッとしたり、息苦しく
なるなどの状態が、繰り返し起こるようになる。


たとえば緊張した場面だったり、車の中で交通渋滞に巻き込まれ
て待たされている時、あるいは電車の中、などで吐気がこみ上げ
て気持ち悪くなり、冷や汗が出ることがある。


6〜7年前から年に1・2回、入浴時や激しく動いたとき、心的
緊張などの時に、発作的に動悸のすることがあった。
某年7月、機械を修理する為、高い台の上に飛び乗った途端に
動悸が起こった。当時、患者は心身共に非常に疲労していた。
これまでならすぐ止まる動悸が、なかなか止まらないばかりで
なく、そのうち息苦しくなり、手足がしびれ、頭がぽんやりし
てきた。患者は死への不安に襲われ、工場内の診療所へ運んで
もらった。


通信制高校に入学したが、第一回目のスクーリングの日、昼休
みに最初の発作があった。
突然、喉頭部がしめつけられるような感覚がしたかと思うと、
息苦しくなって、心臓の鼓動が高まり、全身が震え汗が吹き出
してきた。
苦しくなって、このまま死んでしまうのじゃないか、と不安に
なり医務室に連れて行ってもらう。しばらくして発作は自然に
おさまった。それからスクーリングでの休み時間になると、
時々発作が出現するようになった。


祖母の死の知らせを聞いた直後に気分が悪くなり、頭部の圧迫感、
頭や身体がフラフラする感覚がして、胸が苦しくなり、激しい動
悸が起きて、いまにも死んでしまうような恐怖に襲われた。


駅の構内を歩いていて、あるいは電車の中で
上のような症状や状態に突然襲われる方もいらっしゃいます。

ライブハウスで、発作や過呼吸に襲われ、
それ以降、些細なきっかけから不安発作が繰り返され、
仕事も続けられなくなってしまう場合があります。

仕事でひどく忙しかった時期が一段落し、
休みの日に家の居間で寝転がっていたとき、
突然、不安発作に襲われた、という方もいらっしゃいます。


不安発作の特徴

不安発作の場合に特徴的なのは、
ご本人にしてみると
原因や理由が思い当たらない 」「 見当がつかない
とおっしゃることです。

そこに「 不安発作 」の特徴があります。


不安発作から不安神経症へ

このような不安発作をきっかけにして、
次第に「 不安神経症 」の状態におちいってゆく人のいることが、
以前から指摘されていました。

不安神経症にまでなってしまうと、
たとえば
電車に乗るのが怖くなって乗れなくなってしまったり。
人混みや慣れない場所に一人で行けなくなってしまったり。
ひとりで外出できなったり。

こうして生活や仕事で、さまざまな困難が生まれてゆきます。

こうした不安神経症の状態に至る前に、
あるいは不安神経症がさらに悪化してゆく前に、
薬の治療だけでなく、カウンセリングのような場が
とても大切になること・必要であることが、
ようやく理解されつつあります。

関連ページ 心療内科とカウンセリング

パニック症状とは

パニック発作・パニック症状という言葉は、
不安発作と同じ意味合いで使われますが、
身体の病気や薬物によって引き起される症状も広く含めて、
パニック発作・パニック症状という言葉が使われています。

( パニック症状の基準 )
以下の症状のうち4つ以上があらわれるもの。

○ 動悸、心悸亢進、または心拍数の増加。
○ 発汗。
○ 身体の震え。
○ 息切れ感、または息苦しさ。
○ 窒息感。
○ 胸痛、または胸部不快感。
○ 嘔吐、または腹部の不快感。
○ めまい感、ふらつく感じ、または気が遠くなる感じ。
○ 死ぬことに対する恐怖。
○ 冷感または温感。

そして、パニック症状・パニック発作に襲われた怖さや不安から、
生活や仕事などに、なんらかの支障をきたすようになるものを
パニック障害 」と呼んでいます。


カウンセリングの場とは

カウンセリングに幾度かお越しになって、
お話しをされていくうちに、
やっぱり話しをするって、大切なんですね
そう改めておっしゃる方も、いらっしゃいます。

「 症状 」だけへの対応(薬物治療)になってしまうと、
かえって病像や状態像が、複雑化しがちかも知れません。

中医学(中国医学)には
壊病(えびょう)」という言葉があります。
間違った対応や治療を繰り返すうちに、
なにがなんだか分からなくなった状態を云う言葉です。

カウンセリングというと、少しためらいを感じる方が
もしかすると、いらっしゃるかも知れません。

カウンセリングは薬ではなく、
お話しをしてゆくことを通して、神経の緊張をといていったり、
心身のストレスや不安を緩めたり、
心や気持ちを整理してゆくことを、
とても大切にしているものです。


 

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 東京都品川区のカウンセリング・ルーム「森のこかげ」が、「不安発作、不安神経症」についてお伝えしています。  

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