カウンセリングを経験して

 野神 玲子さん(仮名)34歳

私が電話カウンセリングを受けたのは、
友人との付き合い方に悩んだことがきっかけでした。

もともと少しわがままなところのあった彼女でしたが、
年下だし、お互いさまと思って付き合ってきました。

職場での不満や愚痴を聞いてあげたり、
彼女が家を出てアパートを探すときには
不動産屋さん回りにつきあったりもしました。

ある時、会社の仕事が急に入って、
会う約束をキャンセルしなければならなくなり、
前の日にメールを出しておきましたが
彼女は不機嫌そうでした。

その日、夜の11時頃に仕事を終えて帰宅すると、
ポストに彼女からの手紙が入っていました。
夜の8時ぐらいにやって来て、
家の前でずっと私が帰るのを待っていたようです。

それまでは、電話がかかってくると、
どんな時にも話を聞いてあげたり、
相談にのったりしたのですが、
さすがにこの時は仕事で疲れ切っていたこともあって、
付き合いきれない、と思いました。

私の事情にかかわりなく生活に入り込み、
しかも「私のために来ている」という彼女の感覚に、
これではダメだ、と思いました。

そんなとき、別の友人から、
私が彼女を甘やかし過ぎている、
「共依存」の関係になっていると指摘されました。
私にはとてもショックでした。
客観的な目で信頼できる助言を得たい、と切実に考えました。

電話カウンセリングでは、たくさんのヒントをもらいました。

ある友人からからは、彼女に対してもっと毅然と対応し、
突き放すべきだと言われました。

先生からは反対のことを言われました。
彼女は理屈でなく、なにかの感情からそう行動してしまう。
私の家に来てしまうのも、
自分でもどうにもならない行動なのだから、
その行動を、理屈や常識からだけ責めたり咎めても、
彼女には伝わらないのでは ・ ・ ・?。

また彼女は自分の母親を、
厳格で、息が詰まるような人だと話しており、
私もそんな印象を持っていたのですが、
「 家族のことは、他人にはわからないものです。
 彼女がそう話しているのは
 彼女の目を通してのお母さん像・イメージであって、
 お母さんの側から見た彼女との関係は
 また別のものに見えているのでは 」と言われました。

子どもでも、放っておいても育つ子と、
とても敏感で繊細で、手をかけてあげなくては育ちにくい子、
親子関係をつくりにくい子がある。

誰が悪いのでもなく、持って生まれた気質がある、
ということでした。
これにはなるほどと思いました。

逞しく生きている彼女のお姉さんと、
お姉さんとお母さんの関係が思い当たりました。
今までの私は、彼女の目を通してしか
彼女の訴える家庭の状況を見てなかったことに気づきました。

お話をしているうちに、
彼女に振り回されていた自分というものに気づき、
こういう関係はお互いにとってよくない、
もうやめようと思いました。

私にとっては、彼女とのことだけではなく、
自分の人生経験を客観的に振り返るという意味でも、
とても大切な時間だったと思います。
 
 

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