燃えつき症候群について
「 燃えつき状態 」 「 燃え尽き症候群 」という言葉があります。 耳にする機会は多いのではないでしょうか。
【 燃えつき症候群とは 】
カウンセリング、あるいはメンタルヘルス領域で云う 「 燃えつき状態 / 燃え尽き症候群 」とは、 次のような意味としてあります。
自分なりに「こうしていきたい」「こうなりたい」という 希望や目標、大事な思いを持ち、 悩みながらも頑張ってきたにもかかわらず、
その結果として、 「 徒労感や虚しさ 」「ふかい疲労感」「無力感」ばかりを 抱えるようになってしまった状態を云います。
【 "意味"が失われていく 】
燃えつき状態になってしまうと、 自分がやっている事に対して、あるいは何もかもに、 意味を見出せなくなっていきます。
徒労感や疲労感を深くし、気力を徐々に失っていき、 同時に、そんな自分自身に対して、 罪悪感や「 自分はダメだ 」という自己否定感を抱えてしまい、 自信を失った堂々めぐりに落ち込んでゆきます。
「 突然電源が切れて、 動けなくなってしまったような感じです 」 そんなふうに訴える方も、いらっしゃいます。
こうした一連の状態の中で 現われ出てくる様々な心理的・身体的症状をまとめて 「 燃え尽き症候群 」と呼んでいます。
そのため、燃えつき症候群の多くには、 程度の違いにかかわらず、 「 抑うつ感 」を伴うことが多くなります。
たとえば過労死( 病死や自殺 )のケースのなかには、 燃えつき症候群から来る深刻な抑うつ状態が、 背景に存在することが多いように思われます。
もちろん、燃えつき症候群は、 職場や仕事の場だけの問題ではありません。
たとえば程度が違うだけで、結婚生活、夫婦関係の中でも、 このような心の問題がしばしば起きています。
【 頑張れる人でなければ燃えつきになれない 】
燃えつき状態に至る背景には、ひとつには、 上でも触れたように、 自分なりの希望や大切な思いを持って、悩みながらも グチや弱音も吐かずに頑張ってきた、という背景があります。
あるいは、グチも弱音も吐けない状況や環境 ・ ・ ・ ということが、存在するケースもあります。
そして中には、いいコの人も多いために、 「ノー」と云えずに、すべて自分で抱えて、 期待に応えなければ、自分がやらなければ、と 頑張っていらした方も、いらっしゃいます。
「 人に相談する、人に話すことが苦手 」 「 頼んだり、頼ったりできない、これまでしたことがない 」 そうした方も、いらしたらします。
なかには、 「 相談するってどういうことか分からない 」 そうおっしゃる方もいらっしゃいます。
燃えつき状態とは、たとえて云えば 乾いたタオルを更に絞り尽くしてしまった、状態かもしれません。
そもそも頑張れなければ、頑張れる人でなければ、 燃えつき状態にはなれません。
【 頑張れる自分と大事にできる自分 】
心の余裕が失われているとき、 ひとりで抱えているだけでは、 出口の見えない迷路を、さまようことになります。
燃えつき状態の背景には、 きっとあなただけの「 物語り 」があるのではないでしょうか。
「 回復する 」とは、 「 元の状態(元の自分)に戻る 」ことではありません。
元に戻るというのは、 また悪くなるかもしれない状態に、戻ることだからです。
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