生まれてくるとき 〜 母と子の呼びかけ合い 〜


赤ちゃんが生まれてくるとき、
日が満ちると、自然にお母さんの体に陣痛が起きて、
お腹の中から産まれ出ているように思っている人も
いるかもしれません。

でもほんとうは、
お腹の赤ちゃんが生まれようとして、
自分から生まれ出てきているものです。


お母さんのお腹の中で十分に育った胎児は、
自分でホルモンを分泌させて、お母さんに合図を送ります。


お母さんの体は、
胎児からの合図に反応して陣痛を起こし、
徐々に子宮を収縮させながら、
赤ちゃんを、外の世界に押し出していきます。

つまり、陣痛・出産とは、
お母さんと胎児との呼びかけ合いの出来事なのです。

生理的にみると、
赤ちゃんは、この世に生まれることを
自ら選んで生まれてきている、と云えるかもしれません。


生まれたくないとなったら、いつまでも合図を送りませんし、
流れることすら起きてきます。


お母さんが 仕事か何かの都合で
「あと一週間でいいから、生まれるのを待って」とお腹の赤ちゃんにお願いをしていると、お腹の赤ちゃんは、お願いされた通りに、
生まれるのを待ってくれたりします。

そんな経験を語るお母さんはたくさんいらっしゃいます。

すでにやりとりが存在している。


そして、わたしたち人間の出産は、
ほかの動物に比べて、本来はとても長い時間をかけて
おこなわれるものです。

徐々に ゆっくりと始まる陣痛は、
陣痛期と間欠期(陣痛と陣痛の間)をくり返しながら
しだいに高まってゆきます。

こうした本来の陣痛の姿は、母体と赤ちゃんにとって、生まれてから後に重要な意味を持つとても大事なスキンシップになっている ・ ・ ・
と考える研究者たちもいます。


本来は ・ ・ ・ と云ったのは
いまではご存じのように、陣痛促進剤によって
陣痛を無理に作り出していることが多いからです。

陣痛促進剤による出産は、
お腹の赤ちゃんと お母さんにとって、
ひどく危険な負担をかける結果になります。
子宮破裂、胎盤剥離 仮死状態での出産 帝王切開の増加。
陣痛促進剤への危険を訴える人々は多くいます。
 

陣痛・そして出産とは、
お母さんへの「もう産んでいいよ」という胎児からの合図ではじまる、母と子の呼びかけ合いの出来事なのです。

 

 

 

 

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