心のパターンとのお別れの仕方


心のパターンについて 」でも記してるように、
わたしたちは、生きてくるなかで、
人それぞれ、いろいろな心のパターンを身に付けてきます。

そして、長い歴史を持つ心のパターンであればあるほど、
それはあなたにとっては、
何かきっと必要があってのものですし、
何か大切な意味がある、のかもしれません。

たとえそれが、他人からは、
どんなに不合理で、ネガティブに見えるものであっても。


ですから、
それをただ邪魔なもの、マイナスなもの、困るもの、
としか考えずにいると、かえって
「 とらわれ 」の中から、なかなか抜け出せないものです。

何故ならそこには、あなたにとっての
かけがえのない、なにか大切なものが含まれているからです。

意味もなく、ただそうした心のパターンを
身に付けてきたわけではないはずです。


いつも一緒にいた親友

もしかすると、それは、
自分を守るための、大切な方法だったのかも知れません。

たとえて云えば、
小さな時からずっと一緒にいた、たった一人の親友。
あるいは、自分を守るための大事な鎧(よろい)。

ですから、
「自分を変えたい、なんとかしたい」と
考えていたつもりなのに、
カウンセリングを続けてゆく中で、実際に自分の内側に、
今までとは違う何かが芽生えてきたり。
これまでとは違う何かが、
自分の内側で生まれてくれにつれて、

自分が自分でなくなってしまうような気がして、
ためらうような気持ちが、
生まれてくることがあります。

「 どっちが本当の自分なのか、分からなくなっている。
 こうして
(カウンセリングで話ながら)考えていくことで、
 きっと楽になれる、変れるきっかけになる、
 そう思える自分もいれば、
 次の日には、なんだか前に進みたくないような、
 そんな気持ちになったりして、
 行ったり来たりしている自分がいるんです 」

「 これ以上進みたくない、
 このままの自分でいたいって思うんです 」

そう打ち明けてくださる方も、いらっしゃいます。


大切な存在に別れなどない

考えてみれば、
小さな頃から一緒にいた、たった一人の親友と
別れることになるかもしれないのですから、

不安になったり、寂しくなるのは
自然なことではないでしょうか。

ですから、カウンセリングの経験から申し上げると、
無理に捨てよう、とするのは間違いです。

たとえば、
大切な親友と別れるときをイメージしてみるのです。

幼いときから、いつも一緒にいた親友。
そんな親友と遠く離れなくてはならなくなる。

もしかしたら、もう会えなくなるかもしれない。

そんなとき、
どんな気持ちで、どんなふうに振る舞うでしょう。

何度も何度も会って、一緒に遊んだり、
昔を思い出して、たくさん懐かしんだりすることでしょう。

そうしてゆく中で、
少しずつ気持ちが整理されていき、心を満たしていき、
もう大丈夫かもしれないと感じ、
やがて「 心の中の存在 」に変ってゆく ・ ・ ・

大切な存在に、別れなどありません。
心の奥に、その命を移してゆくのだと思います。

 

 

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