おんなじ根っこに咲く花
これは、カウンセリングでお話しをしてゆく中で 少しずつ、気がついてゆくことなのですが ・ ・ ・
それはもしかすると、 「 花畑 」にも、たとえられるかもしれません。
たとえば、 向こうに「 青い花 」が咲いていて、 あそこには「 黄色い花 」が咲いていて、 ここには「 白い花 」が咲いている、とします。
外からただ眺めていると、 それぞれ、別々に咲いている花にしか見えません。
でも、花たちの茎(くき)を、よくよくたどっていくと、 実は、みな同じ根っこから出ているものだった、 ということがあります。
それらは、咲く場所(現われる場面・状況)が違うことで、 あらわれ方に違いがあるために、 互いに関係のない、別々の花に見えているだけで、 実は、みな同じ根っこから出ている花だった ・ ・ ・。
これと同じ様なことが、 わたしたち自身の行動や感じ方・考え方にも見られます。
自分にある「 こうした面 」「 ああしたところ 」。 実は、同じ根っこから出ているのかもしれない。
あらわれる場面や状況が違うために、 それぞれ全然関係のない、別のことのように思って、 それ以上考えることもなかったけれど、 よくよく整理し考えてゆくと、 なんだか、みんなつながっている 。
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「 同じ根っこ 」が何かは、人によって様々です。
「 少しずつ、自分の感情や考えを再認識できて、 これまで別々に感じていたものが、自分の中でつながったよう に思います 」
そんなふうに打ち明けてくださる方も、いらっしゃいます。
こうしたことが糸口になって、少しずつ 「 自分 」というものへの理解が広がってゆく。
自分自身を、 よりよく理解してあげられるようになっていく。
「 前よりも、自分のことを理解できるようになった 気がします。これからの自分自身のためにも、 こうしたことは、私とって必要なことだと思っています 」
カウンセリングをしていると、 自分自身への視野が広がることで、 心の深いところに、何か新しいものが芽生えてくる、 という場面に、たびたび出会います。
なにかが少しずつ、少しずつ、変化してゆく。
「 変るとは、実はほんの少し変ることなんです。 ほんの少し変ることで、 いろいろなことが変化していくんです 」 ( 上野千鶴子・社会学者 )
ことばを換えるなら、 わたしたちには、自分自身と出会い直すことが必要なとき、 というものが、あるのかもしれません。
そして、どうせ出会い直すなら、 よりよい出会いでありたいと思います。
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